15.XMLのセキュリティ - XML文書のセキュリティ脆弱性 - XML署名と暗号化

 

 

XMLのセキュリティ

XML文書のセキュリティ脆弱性

XML(eXtensible Markup Language)は柔軟で拡張性があり、データの表現に優れた形式ですが、 その柔軟性がセキュリティ上の脆弱性を引き起こすことがあります。

一般的なXMLのセキュリティ脆弱性には、以下のようなものがあります。

  • DTD攻撃(Document Type Definition): XML文書内での外部エンティティ参照の悪用により、機密情報が漏えいする可能性があります。
  • XPathインジェクション: 不正なXPathクエリを挿入することにより、悪意のある操作が行われる危険性があります。
  • XML外部エンティティ攻撃: 外部エンティティを参照することで、サーバーのリソースにアクセスする攻撃が行われる可能性があります。

これらの脆弱性からXML文書を保護するには、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。 具体的な対策としては、外部エンティティの無効化、適切な入力検証、署名と暗号化の利用などが挙げられます。

XML署名と暗号化

XML文書のセキュリティを向上させるために、XML署名暗号化が広く利用されています。

XML署名は、XML文書の整合性と認証を確保するための手法です。 これにより、文書が改ざんされていないかどうかを検証でき、送信元が正当なものであることを確認できます。 署名は公開鍵暗号方式を利用し、秘密鍵で署名を生成し、公開鍵で検証します。

暗号化は、XML文書の内容を保護するために使用されます。 例えば、機密情報を含むXML文書を送信する際に、その内容を暗号化することで不正アクセスから情報を守ります。 一般的には対称鍵暗号方式や非対称鍵暗号方式が使用され、セキュアな通信を実現します。

以下は、XML文書に署名と暗号化を適用する一例です。


<signedEnvelope>
    <signature>...署名情報...</signature>
    <encryptedPayload>...暗号化された内容...</encryptedPayload>
</signedEnvelope>

この例では、署名と暗号化が<signedEnvelope>要素内で行われています。 これにより、受信者は署名を検証し、暗号化を解除することで文書の信頼性と機密性を確保できます。