13.SOAPとXML - SOAP(Simple Object Access Protocol)とは? - XMLを用いたWebサービスの実装

 

 

SOAPXML

SOAP(Simple Object Access Protocol)とは?

SOAP(Simple Object Access Protocol)は、分散環境でのオブジェクトやサービスの呼び出しを行うためのプロトコルです。 主にXMLを使用して構造化されたデータを交換するためのもので、Webサービスの実装に利用されます。

SOAPは、異なるプログラミング言語やプラットフォームで開発されたアプリケーションが相互に通信する際に、 標準的な手段として利用されます。SOAPメッセージはXML形式で構築され、通信のための基盤を提供します。

例えば、SOAPでは以下のようなXML形式のメッセージを利用して、異なるシステム間で情報をやり取りします。


<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<soap:Envelope xmlns:soap="http://www.w3.org/2003/05/soap-envelope" xmlns:web="https://example.com/webservice">
    <soap:Header>
        <web:AuthHeader>
            <web:Username>user123</web:Username>
            <web:Password>pass456</web:Password>
        </web:AuthHeader>
    </soap:Header>
    <soap:Body>
        <web:GetUserData>
            <web:UserID>123456</web:UserID>
        </web:GetUserData>
    </soap:Body>
</soap:Envelope>

この例では、SOAPのEnvelope要素内にHeaderとBodyが含まれ、ユーザー認証情報とユーザーデータの取得要求がXMLで表現されています。 これにより、異なるシステムでのデータ交換が標準的かつ安全に行われるのです。

XMLを用いたWebサービスの実装

XMLSOAPのメッセージフォーマットだけでなく、Webサービス全体の実装においても重要な役割を果たします。 Webサービスは、クライアントとサーバーが異なるプログラミング言語やプラットフォームで開発されていても通信できるようにするため、 標準化されたデータ交換フォーマットが必要です。そのためにXMLが広く利用されています。

Webサービスの一般的な実装では、HTTPプロトコルを使用してXMLまたはJSON形式でデータを受け渡します。 例えば、RESTfulなWebサービスでは、以下はXML形式の例です。


<?xml version="1.0" encoding="UTF-8"?>
<user>
    <id>123</id>
    <name>John Doe</name>
    <email>john@example.com</email>
</user>

上記の例では、ユーザーのID、名前、メールアドレスがXML形式で表現されています。 クライアントとサーバーがこのようなデータ形式で通信することで、異なるプログラムやプラットフォーム間での連携が実現されます。

このようにXMLは、Webサービスの実装において異なるシステム間でのデータ交換を効率的かつ標準化された形で実現する重要な要素となっています。